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    Daanが東京に来るよ

    • 2011.09.03 Saturday
    • 20:11
    そうなんですよ。9月8日(木)から六本木ヒルズでやるBelgian Beer Weekendでライブやってくれるんですよ。。
    うわーーー。。

    Daan(ダァン)のことをさらっと紹介すると、Daan Stuyvenというフルネームの、ベルギーのミュージシャンだよ。

    大昔、具体的には1993年ごろ、DaanはHerman GillsとVoltというバンドをやってた。

    Herman GillsはSherman Filterbankで有名なベルギーのアナログフィルターメーカーShermanの中の人だ。FilterbankのロゴマークはグラフィックデザイナーでもあるDaanが作ったもの。Filterbankは96年に初めて製品として発売され、以来そうそうたるミュージシャンに愛用されている。そうそうたりすぎて目眩がするだろ?ケミカルブラザーズとNIN時代のチャーリー・クロウザーがライブでFilterbankを使っているので一番有名だった。
    で、Voltの93年のアルバムは、この96年以降そうそうたる最先端のサウンドクリエイターたちが切り拓いていった音が実はもう入っている。。。VoltやPoesie NoireといったバンドでHermanが活動するうち、90年代後半の音楽のフロントラインを嘘みたいな「新しい音」で席巻したFilterbankが完成していった。これは音楽史上に刻まれるべきだろう。

    そんなわけで最初からDaanは最前線のさらにその先にいた。
    時代の一歩先どころか90年代からすでに80'sリバイバルを試みるなど無謀もいいとこだった。


    Daanはその後、dEUSを脱退したRudy TrouveとDead Man Rayを結成する。
    Dead Man Rayとはなんだったのか。
    2002年のアルビニプロデュースの3枚目のアルバムCagoをミュージックマガジンがなぜか年間ベストランキングに選出。日本盤もないのに。。。


    DMRの乾いた暗さはセカンドアルバムTrapにぎゅぎゅっと出ていて、私はこの曲が大好き

    「we grew up like trees, leaving shades behind / cruising noman's land, we were weak plants」


    Dead Man RayはDaanがソロ活動に注力しはじめて自然と解散していった。
    DaanのソロはDMRとは大きく違う点がある。
    政治性だ。
    とにかくDaanは政治、社会、時代について言わなくてはならない人だ。
    だから言う。何でも言う。ただの皮肉以上の芸術として最高の皮肉を言う。
    それで自分の存在自体が皮肉になりかけても動じない。動じたかもしれないけどそれで意見をひっこめるような人ではない。
    いろいろ見えている人で、いろいろ貫く人だ。

    Daanのソロキャリアは数々のラジオヒットで色どられているけど、この曲は本当にベルギーで大ヒットした。Daan本人が制作したビデオも制作費の数倍の賞金の賞を受賞するなど。
    理由は聞けばわかる見ればわかる。。
    アコギ一本で弾き語りするシンガーソングライターが、こういうトラックでメガクラブヒットを飛ばしてしまう万能性。
    タイトルが「Housewife」。出た当初本当にこの曲が怖かったのを覚えている。。


    やがてベルギーで言語共同体間の対立と分裂、そしてヨーロッパ全体でネオナチ的排他主義が目立ってくる。
    ずっとほぼ英語で歌っていたDaanは、英語・フランス語・ドイツ語をシームレスに行き来する歌詞の曲を出した。Daanの母語はフランデレン語だが曲には登場しない。。。独語仏語はどちらもベルギーの公用語。

    これはヨーロッパのエンタメ界最大のお祭り騒ぎ、各国代表がそれぞれの歌で競い合うはずが近年は主要国同士文化同士の対立のために架空言語で歌ったり小国でないと優勝できないという状況に陥っている「歌の祭典」ユーロビジョン・ソングコンテストを皮肉った曲でもある。
    かつビデオではドイツの「演歌」にあたるジャンルの歌手をパロっている。。。
    ベルギーという場所で時代の絶望に忠実なDaanにしか書けない曲だった。
    音楽的には酷評されたが。。。。


    音楽的な方では最新のオリジナルアルバムManhayは、生楽器のみになっている。

    サウンドがアコースティックなことと、内容が丸くなることには何の関係もなく、内容の絶望的鋭敏さは変わらない。。


    そしてベルギーの政治的惨状(言語間対立のため政局が膠着状態で無政府状態期間が世界記録達成&更新中)に、分離独立派に対して彼らと自らの母語でプロテストソングを突きつける今年のDaan。

    「自転車には2つのホイール 悲しみのないベルギーなどない」「『きみの国はぼくの国じゃない だってきみの国は地雷じゃないか』」



    Daanの18年を振り返ってみたけどそういうことです。
    そういう人が日本に来てくれるよ。。。

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